こんにちは、はらいかわてつやです。
スーパーやデパートなどで見かけることができる実演販売。
いつまで経っても、その姿を見続けられるのは、そこに確かな効果があるからでしょう。
日本での実演販売の歴史は古く、室町時代には口上によって、
薬や化粧品などを売るという形態が確立したと言われます。
その後では、江戸時代のがまの油売りや、明治時代のバナナの叩き売りなどが有名でしょう。
がまの油売りでは、自分の手を刀で切り、がまの油を塗って治すことで、お客の気持ちを掴みました。
バナナの叩き売りは軽妙な語り口が、人々を引き込み、
一種の興奮状態に陥らせたとも考えられます。
現在では、テレビショッピングも実演販売が主流で、
カリスマ実演販売人まで登場し、驚くほどの売り上げを記録しています。
アメリカには、昔、タイプライターの実演販売というのもありました。
タイプライターの営業マンが「TYPEWRITER」という単語を素早く打ち込み、売り込みに利用したのです。
「TYPEWRITER」に使われる、T、Y、P、E、W、R、Iの文字は全て上から二段目に並んでおり、少し練習さえすれば素早く打ち込めたからです。
そもそも、タイプライターの文字の配置は、強く叩きすぎることによる故障を防ぐため、頻繁に使われる文字はタイプしづらい薬指や小指の位置に配置されています。
本来は打ちづらい配置にも関わらず、営業マンの実演により、効率よく文字が書けることをお客に印象づけ、高額なタイプライターを売ることが可能になったのです。
1874年に『トム・ソーヤーの冒険』で有名なアメリカの作家、マーク・トウェインが、
タイプライターの実演販売を見て、タイプライターを購入したことからも、その効果が分かるでしょう。
しかし、実際には、上手く文章を打てなかった人も多かったと思われます。
練習によって成果を挙げている部分も大きかったため、何もしないで、実演販売と同じようにはできないからです。
最近でも見かけるデパートの食料品売り場などでの料理道具の実演販売でも、同じ事が言えます。
店員が鮮やかな手つき料理を作っているのに感心して、料理道具を購入しても、実際に再現することは難しかったりします。
実演販売は、商品の説明や商品の凄さばかりを強調しており、
作業自体は簡単にあっさりと進めるため、お客の視線は商品ばかりに集中してしまいます。
そのため、それを扱う、実演販売人のスキルを見落としがちになってしまうのです。
実演販売は、説得力が高く、商品に対する疑いの心を減らす効果があります。
自らの目を疑うことは難しいため、自分の目で見たことは、ついつい信じてしまうからです。
さらに、実演販売の場では、他の人間も同時に見て、同じように反応していることが多いでしょう。
そのように、他人も自分と同じ気持ちだと分かってしまうと、さらに疑おうと言う気持ちはなくなっていきます。
テレビショッピングで、わざとらしく「へぇ~~すごい」などという声を挿入しているのは、このような効果も狙っているのでしょう。
実演販売は、軽妙な商品説明、周りを巻き込んだ説得力、自らの目を信じてしまう心理などが合わさって、一種の催眠状態を作り、購買意欲を生じさせているのかもしれません。
はらいかわてつや
著者プロフィール

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Dr.Freedom
Facebook 11万いいね!突破
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YouTube 100万再生突破
心理学者、プロモーター
株式会社プログレッシブジャパン代表取締役社長
日本働き方改革推進本部 監査役
世界的インテリジェンスコミュニティ創設メンバーの一人
平凡な人生に革命を起こしたい方にコンサルティングを行い、
過去10年間で累計3万名もの人生革命に携わる。
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